課題を解決

これからの企業システムが目指すべき方向性 〜マルチデバイス時代を勝ち抜くために〜(2/3)

2013/06/19

マルチデバイス化に向けて

先にも述べましたが、スマートデバイスの普及により、ユーザが様々なOSやデバイスを日常的に利用することとなった結果、企業システムにおいても、ユーザが日々の業務を遂行していく上で必要な情報への、マルチデバイスからのアクセス容易性、ユーザ自身の嗜好に合うエクスペリエンスなどが求められるようになりました。更に、マルチデバイス対応は企業情報システムの事業継続性向上への寄与、ワークスタイルの変革などを実現するものとして期待されています。しかしながら、その一方で旧来のレガシーシステムとの共存をいかに実現していくかといった点を含め多くの問題が残されています。

マルチデバイス対応が難しいレガシーシステムも多く残っている

今でこそ、(特定の)業務アプリケーションをマルチデバイスから利用が可能なSaaSなどのクラウドサービスで構築するケースが増えておりますが、多くのエンタープライズ企業ではメインフレーム、UNIXベースに代表されるレガシーシステムやIE6で作りこまれたWindowsアプリケーション群などが多く残っています。それらすべてをマルチデバイス対応のために改修していくのは、正直現実的ではありません。また、WindowsとIEに依存するアプリケーションは減少傾向にあるとは言え、直近数年間で無くなるとも考えにくいです。更に、業務内容や当該業務にて取扱うデータの種類・特性によっては、法令遵守の観点等より今後もクラウド移行が難しいビジネス領域も存在していると考えられます。

マルチデバイス化を阻む企業システムの問題点

  • Windowsと特定のIEバージョンに依存するアプリケーションが残っている
  • インターネットに接続できないシステムが残っている
  • クラウドサービスに移行できない業務がある

「例えば、営業全員にiPadを配布しクラウドCRMを利用、デバイスの管理にMDMを導入」これって正しい選択?

特定業務の生産性向上から観ると、正しい選択肢の一つと考えられます。スマートデバイスのビジネス利用をはじめるための一番の近道と言っても過言ではありません。しかし、同時にこれは特定のデバイスにおいて有効な一種の個別最適化であるとも考えられます。新たなデバイスとOSの種類が増えると予測される今後において、個別最適手法にて導入した特定のデバイスが万が一陳腐化した場合には、どのように対応するのでしょうか? 結果として、個別最適の手法はそのIT投資を将来的に生かせないリスクを常に孕んでいます。
MDM: モバイルデバイス管理


マルチデバイス化がもたらすビジネス的恩恵

特定のデバイスやOS、場所や時間に依存しないというマルチデバイスの特長は、企業にとって様々なビジネス的恩恵をもたらします。万一の災害時でもビジネスを継続できる仕組みをつくる。多様化するデバイスの活用による業務の生産性と品質の向上。いつでも、どこからでも利用できるシステム利用環境が前提で実現できる、新しいワークスタイルの創出など。マルチデバイス化は、数字に表れる成果以上にこれからの企業情報システムが目指すべき方向性を示しています。

マルチデバイス化が企業にもたらす恩恵

  • 災害時でもビジネスを継続出来る仕組みづくり
  • 業務の生産性と品質の向上
  • 場所に縛られないシステムの利用環境による、新しいワークスタイルの創出

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