基礎から学ぶ

アプリケーション仮想化とは?

2019/10/30

サーバやデスクトップだけでなく、ユーザが必要とする利用環境を個々のアプリケーション単位で仮想化して配信できます。これは、柔軟で利便性の高いユーザサービスを実現するアプリケーション仮想化と呼ばれるソリューションです。アプリケーションをOSから切り離して仮想化することにより、社内で構築されたシステムがOSアップデートで使えなくなるなんてことも防ぎます。

アプリケーション仮想化のメリット

アプリケーション仮想化とは、個々のアプリケーション単位で仮想化を行い、ユーザに配信する仕組みです。ユーザは、所有しているクライアント端末の機種やOS種別と関係なく、業務で必要なアプリケーションを利用することが可能となります。

デスクトップ仮想化とアプリケーション仮想化の違い

デスクトップ仮想化は、ユーザのデスクトップ全体を仮想化し、OSを含めたソフトウェア環境を物理端末から切り離します。ユーザは自分専用に割り当てられた仮想デスクトップに必要なアプリケーションをインストールして利用します。

これに対してアプリケーション仮想化は、アプリケーションをOS以下のレイヤから切り離します。それによりユーザは、自分のクライアント端末や仮想デスクトップ環境にアプリケーションをインストールすることなく、サーバ側から配信されたアプリケーションを利用することができます。

アプリケーション仮想化で実現するメリット

  • システム管理者の立場から
    •  ユーザが利用できるアプリケーションをサーバ側で一元管理できる
    • ユーザごとにアプリケーションの更新やパッチ配布を行っていた手間を削減できる
  • ユーザの立場から
    • アプリケーションをインストールする必要がない
    • 端末機種やOS種別の違いを意識せず、必要なアプリケーションを利用できる

Windows 7専用アプリケーションを新OS環境で延命できる

Windows 7 のサポート終了にともない、Windows 10 へのバージョンアップが進みました。しかし、そこで直面するのが、Windows 7 専用に開発され、Windows10 との互換性が保証されていないアプリケーション資産をどうするのかという問題です。
こうしたWindows 7 専用アプリケーションも仮想化することで、Windows 10 にバージョンアップしたクライアント端末や仮想デスクトップからも利用できます。PCやOSのライフサイクルに影響を受けることなく、アプリケーション資産を長期間にわたって継続利用することが可能となります。

アプリケーション仮想化を実現する2つの方式

アプリケーション仮想化にも、さまざまな実現方式があります。一般的に広く使われているのは、「RDSH方式( Remote Desktop Service Hosts)」と「ストリーミング方式」の2つです。

RDSH方式によるアプリケーション仮想化

サーバ上にインストールされたアプリケーションを、複数のユーザが共同利用します。

サーバ側で実行されているアプリケーションの画面をクライアント側に転送する仕組みをとっているため、常にネットワーク接続されたオンライン状態である必要があります。また、複数のユーザで同じアプリケーションを利用するため、使用したいアプリケーションがマルチユーザーに対応していなければなりません。この条件をクリアできれば画面転送方式のアプリケーション仮想化はユーザ環境の管理を一元化する手段として手軽に使っていただけます。

VMwareでは、RDSH方式によるアプリケーション仮想化をHorizonの一機能として提供しています。

ストリーミング方式によるアプリケーション仮想化

Windowsアプリケーションの動作に必要なレジストリ情報やシステムファイルを、アプリケーションと合わせて一つの実行形式(EXEファイル)にパッケージ化し、サーバから配信します。

アプリケーションがパッケージ内で完結するため、OSから分離して独立して動作させることができます。これにより、Windowsのバージョンの違いによる互換性問題、アプリケーションの競合問題などを回避し、自由に展開可能になるのがストリーミング方式によるアプリケーション仮想化の特徴です。また、アプリケーションはクライアント側で実行されるため、オフラインでの利用にも柔軟に対応できます。

VMware ThinApp を利用したアプリケーション仮想化

ヴイエムウェアでは、ストリーミング方式のアプリケーション仮想化技術として「VMware ThinApp®」を提供しています。デスクトップ仮想化の「VMware Horizon®」との併用も可能です。

アプリケーションをOSから完全に分離

ThinApp は、アプリケーションおよびその動作に必要なOS機能を単一の実行ファイル(EXEファイル)にパッケージ化してユーザに提供します。

この実行ファイルは、同じ端末にインストールされている他のアプリケーションやOSから完全に分離して実行されるため、互換性や競合の問題は発生しません。また、デバイスドライバのインストールやレジストリの変更も不要です。

例えば、Windows 7以前のバージョンでしか使えなかったIE8ベースのWebアプリケーションについても、再コーディングすることなくWindows 10を搭載したデスクトップ環境に容易に展開できます。

Horizonとのシームレスな組み合わせ

ThinAppは、デスクトップ仮想化のHorizonとの二者択一ではなく、両方をシームレスに組み合わせた運用が可能です。これにより、ユーザに応じた利用環境を提供することができます。例えば、ソフトウェア開発やマーケティング、企画部門など、自由度の高い操作を求めるユーザにはHorizonによる仮想デスクトップを提供し、一般社員には、業務で必要なアプリケーションのみをThinAppで配信するといった柔軟な運用を実現できます。

アプリケーションの持ち運びも可能

パッケージ化の技術をベースにしたThinAppならでは、オフラインでのアプリケーション利用も可能です。USBメモリなどの外部メディアに仮想アプリケーションを展開し、さまざまな場所に持ち運ぶこともできます。端末にインストールする必要がないので、社外での業務の際などに自由なワークスタイルを実現する方法の一つとしてもご利用いただけます。


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