課題を解決

わかるSRM(VMware Site Recovery Manager)(3/4)

2018/05/14

SRMの構築概要

SRMの利用にあたっては、vSphere Web Clientを用い、vCenter Serverのメニューからアクセスする。SRM環境の構築は以下の手順で行う。アレイベース、サーバベースのどちらも大きな違いはない。(以下は概略。詳細は管理ガイドを参照)

  1. 保護サイトとリカバリサイトのペアリング
  2. コンポーネントの構成
    1. アレイマネージャの構成
    2. vRMS、vRSの構成
  3. インベントリマッピングの構成
  4. 保護グループの作成
  5. リカバリプランの作成
  6. リカバリプランのテスト/実行

いずれの作業も日本語のウィザードに従って行うことができ、構築を容易にしている。

保護サイトとリカバリサイトのペアリング

SRMでは、本番サイトを保護サイト、災対サイトをリカバリサイトと呼び、予めペアを構成しておく必要がある。

コンポーネントの構成

  • アレイベースの場合:アレイマネージャの構成
    先述したSRAを利用し、SRMサーバからストレージアレイを操作できるよう、構成を行う。通常は、初期構築時に1回のみ実行する。
  • サーバベースの場合:vRMS、vRSの構成
    vSphere Web ClientからSRMプラグインを利用してvRMS、vRSを展開していく。展開後にデータベース、vCenter Serverなどの情報を登録していく。

インベントリマッピングの構成

この項目は実施を推奨するオプションである。本番サイトにおける仮想マシンのインベントリ設定(フォルダ、ネットワーク、リソースプール)を、災対サイトで復旧した際にどうするのかのデフォルト設定を行う。インベントリマッピングを作成していない場合には、仮想マシンごとに個別に設定していく必要があるので注意が必要である。

保護グループの作成

SRMでは仮想マシンを保護グループ単位で保護、復旧させる。アレイベースの場合、保護対象となる全ての仮想マシンは1つのデータストアグループ内に保存されている必要がある。データストアグループとは、仮想マシンを構成するファイルが複数のLUNおよびVMFSにまたがることがあるため、SRM上で統合管理するためのグループである。

図4 : データストアグループと保護グループ

図4 : データストアグループと保護グループ

 

ここまでが環境設定である。ここから、被災時の復旧プロセスを具体的に作成していく。

リカバリプランの作成

前ステップで構成した保護グループを対象に、実際のリカバリプランを作成していく。1つのリカバリプランに複数の保護グループを含めること、もしくは1つの保護グループを異なる複数のリカバリプランの対象とすることが可能である。

図5 : リカバリプランの作成イメージ

図5 : リカバリプランの作成イメージ

 

リカバリプランはウィザードから作成することができる。ウィザードを完了すると、標準的な復旧手順がデフォルトのリカバリプランとして作成される。このプランを、自社の復旧計画に基づいてカスタマイズしていくことで復旧手順として確立することができる。下図は、リカバリプランの一例である。

図6:リカバリプラン

図6:リカバリプラン

リカバリプランでは仮想マシンだけでなくストレージの同期、切り離しなどの制御も実施する。この時ストレージごとにコマンドや作業が異なるため、前述のSRAが必要となるのである。

デフォルトで作成されたリカバリプランでは、保護グループ内の仮想マシン全ての優先順位が「レベル3」として構成される。優先順位は、レベル1~5の5段階で定義される。
リカバリプラン実行時には、優先順位が高いグループの仮想マシンから起動する。上位の優先度に属する仮想マシンの全てが起動か失敗するまでは、下位の優先度の仮想マシンは起動しない。また、各優先度のグループ内においては、全ての仮想マシンが同時に起動するように試みられるが、仮想マシン同士の依存関係を定義することも可能になっており、より確実な業務システムの復旧が可能となっている。
下図に、優先順位のレベルと仮想マシンの起動順序のイメージを示す。

図7 : 優先順位のレベルと仮想マシンの起動順序のイメージ

図7 : 優先順位のレベルと仮想マシンの起動順序のイメージ

 

リカバリプランのテスト/実行

作成したリカバリプランによって正しく業務復旧が出来るのかどうか、当然テストする必要がある。また、災害対策においてはシステムの変更時や半期ごとなど、定期的に切り替えテストを実施し、いざという時に正しく復旧できることを確認しておくことも非常に重要である。
SRMでは作成したリカバリプランのリハーサルを行う機能を備えている。この時、本番サイトで稼働中の仮想マシンには影響を与えずにリハーサルが可能なことがSRM大きなメリットの一つと言える。
リハーサルの実施は、作成したリカバリプランを選択し、管理画面左上部の「テスト」ボタンを押すだけでよい。テストの進捗状況は管理画面上の「ステップ完了」のステータスで確認することができる。

図8:リカバリプランのリハーサル実行中の進捗状況

図8:リカバリプランのリハーサル実行中の進捗状況

リハーサルの実行結果は管理画面上、およびHTMLレポートとして確認することができる。

図9:リカバリプランのリハーサル実行結果、HTMLレポート

図9:リカバリプランのリハーサル実行結果、HTMLレポート

この手順はリハーサルだけでなく、実際の切り替えオペレーションとほぼ同じであり、いざという時のオペレーションに戸惑うこともないようになっている。

詳細な要件への対応

リカバリサイトにおいてネットワーク環境が違うためIPアドレスを変更したい、仮想マシンをカスタマイズしてから起動したい、といった要件に対応するためにSRMでは個別のコマンドを追加する機能を実装している。
特にIPアドレスの変更が必要となるケースは多いため、そのための機能を予め実装している。
GUIによるIPアドレス設定が可能なほか、大規模環境においてもCSVファイルで定義されたIPアドレスへの変更を一元的に行うことができるため、災対サイトで利用するネットワーク体系への対応が容易となる。

その他、個別のコマンド実行なども可能となっている。詳細は管理ガイドを参照していただきたい。

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