課題を解決

もっとクラウドのような感覚で使いこなすハイパーコンバージド インフラ(HCI)の運用法(後編)
ネットワーク仮想化の不安を解消して導入効果を最大化(1/2)

2019/06/03

HCI Powered by vSANをはじめとするハイパーコンバージド インフラ(HCI)環境を、あたかもクラウドのような感覚でもっと便利に活用したいというニーズが高まっています。その課題解決のカギを握るのがネットワーク仮想化であり、ヴイエムウェアはVMware NSX® Data Centerというソリューションを提供しています。しかし、これまで経験のなかったネットワーク仮想化には大きな不安も伴います。いかにしてこのハードルを乗り越え、ネットワーク仮想化の効果を最大化し、ひいては理想的なHCIを実現することができるでしょうか。前編に続き、ネットワールドの今泉 貴大氏が解説します。

株式会社ネットワールド
マーケティング本部
ソリューションマーケティング部
SDソリューション課
今泉 貴大 氏

ネットワーク仮想化で直面する導入と運用面の課題

前編で述べたように、HCI Powered by vSAN にVMware NSX Data Centerを適用することで、クラウドのような運用に近づくことができます。

とはいえ、これまで使ったことのないネットワーク仮想化を導入するとなれば、多くのハードルに直面します。現在のネットワーク構成やアプリケーションごとの通信要件について、事前に問題点を洗い出しておく必要がありますが簡単なことではありません。そもそもNSX Data Centerの費用対効果を算出することすらも困難です。

さらにネットワークを仮想化したあとも、「物理と仮想に分断した2つのネットワークをどのように運用設計すればよいのか」、「万一障害が起こった際に、原因が物理と仮想のどちらにあるのか切り分けできるのか」など、運用面でさまざまな不安が残ります。

ネットワーク仮想化の課題をVMware vRealize Network Insightで解決

ネットワールド マーケティング本部 ソリューションマーケティング部 SDソリューション課の今泉 貴大氏は、ネットワーク仮想化に伴う上記の課題の解決策としてVMware vRealize® Network Insight™の活用を推奨しています。

vRealize Network Insightが提供するのは、「NSX Data Center環境のネットワーク構成や通信状況の可視化」「グラフィカルなユーザーインターフェースで通信状況を表示」「通信状況を踏まえてセキュリティポリシーを推奨し、NSX Data Centerの動作状況を自動でチェック」「物理も含めたネットワーク全体のトラブルを可視化」の4つの機能です。

これにより、ネットワーク仮想化導入時の「問題点の洗い出しが難しい」という課題に対して、「推奨セキュリティポリシーや推奨ネットワーク設定を可視化する」という解決策を提示します。また、ネットワーク仮想化導入後の「運用が不安」という課題に対しては、「ネットワーク全体を可視化・分析し、パフォーマンスや可用性を最適化する」ことが可能となります。

「仮想環境から物理スイッチ(※注 VMware vRealize Network Insigh対応機種のみ)まで一貫した統合管理を実現。VLAN間やIPセグメント間だけでなく、VMware vSphereのクラスタ間や仮想マシン間の通信も可視化し、トラブルシューティングを効率化します」と今泉氏は、vRealize Network Insightのメリットを説きます。

さらにvRealize Network Insightは、NSX Data Center環境全体の健全性を確認した上で、どんな構成が望ましいのかベストプラクティスを提示するほか、アプリケーション単位やセグメント単位のさまざまな通信の内訳に基づいて最適なファイアウォールルールも推奨します。ネットワーク全体を可視化・分析することでパフォーマンスや可用性を最適化し、NSX Data Centerの導入効果を最大化するのです。

思ったよりも割安なVMware NSX Data Centerのコスト感

もっとも、ネットワーク仮想化の導入に多額のコストがかかってしまうのでは、多くの企業にとって現実解にはなりえません。
その点、NSX Data Center は前編でも紹介したようにStandard、Professional、Advanced、Enterprise Plusという4種類のエディションが用意されており、最もベーシックでリーズナブルなStandardでも大きな効果を得ることができます。

ちなみにNSX Data Center は、ホストサーバのCPU数に応じて課金されるライセンス体系となっています。例えば下図のような環境でネットワーク仮想化をスモールスタートした場合、そのコスト感はどれくらいのものになるでしょうか。「製品のレンジやスペックにもよりますが、物理的なL3スイッチを2台購入するよりも、NSX Data Center Standardのほうが割安になることがあります。ならば、ネットワーク仮想化に踏み切ったほうが得策という判断も十分に成り立つのではないでしょうか」と今泉氏は示唆します。

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