PCのVDI(仮想デスクトップ)化が急速な勢いで進んでいますが、CADをはじめとする3Dグラフィックスアプリケーションで活用するワークステーションのVDI化については、コストが見合わない、必要なパフォーマンスを得られないといった懸念から二の足を踏む企業が少なくありません。VMware Horizon®はそこでの鍵を握るGPU仮想化の最適化を実現し、エンジニアリングの世界におけるビジネスモビリティを加速します。
GPU仮想化へのアプローチと課題
ワークステーションのVDI化に関心を持ちつつも、なかなか導入に踏み切れないでいる企業が少なくありません。まずはエンジニアリングの現場が直面しているさまざまな課題について考えてみます。
ワークステーション運用現場の課題
CADをはじめ3Dグラフィックスアプリケーションを利用するうえで必須となるのがワークステーションですが、その運用現場では「マシンの稼働率が上がらない」「セキュリティ対策が困難」「共有ストレージとローカルマシン間で膨大なデータコピーが頻繁に発生する」など、様々な課題が発生しています。
突き詰めるとその原因は、物理的なワークステーションを1人1台で占有している運用体制にあります。
- ハイエンドなユーザーに合わせたマシンの一括購入
- 知的財産、機密データの流出
- サイズの大きなデザイン/設計データのコピー
- ストレージ/ネットワークコストの増大
- 煩雑な3Dアプリケーション、OS、グラフィックスドライバの管理増大
GPU仮想化によるアプローチ
VDIにより物理PCをサーバに集約することで、多くの企業がクライアントの運用効率化やユーザーの利便性向上を実現しています。
3Dグラフィックスアプリケーションの処理に欠かせないGPUをサーバ側で仮想化することで、PCと同様にワークステーションもVDI環境で稼働させることができます。これによりワークステーションの運用効率は大幅に向上します。
- 仕様のフリーズが容易
- 仕様の更新(Update)を短期間で一律的に実施可能
- CADのバージョンアップ前後の検証フェーズの短縮
- 基礎データなど共通データの一斉配信
- 端末の障害発生に対する対応が容易
- CAEなどの特殊ワークステーション業務との冗長性確保
- リカバリー運用の簡易化(工数削減)
- リカバリー時のユーザー側ダウンタイムなし
GPU仮想化を導入した企業の追加要求
前項に示したようなメリットからGPU仮想化を導入する企業が増えています。しかし、エンジニアやIT管理者からの厳しい要求は尽きることはありません。投資に見合う成果を前倒しで回収せよという要求に応えるためには、さらなるワークステーションの集約率の向上が必要です。また、GPU仮想化によって柔軟な業務環境が実現し、利用部門の広がり、ユーザーの増加、社外からの利用、モバイルアクセスなど利用シーンが広がっていくことで、さらなる描画性能の向上や利用帯域の確保などの要求が出てきています。
- さらなるコストの削減(集約率をもっと上げたい、繁忙期のマシンリソースの調整など)
- さらなるパフォーマンス要求( 描画性能、利用帯域など)