各校に配備したタブレットとアプリをリモートで一元管理 !
立川市教育委員会は市内の小中学校におけるICT教育を推進すべくタブレット導入を決定しました。導入に当たりモバイルデバイス管理(MDM)も同時に採用したことで、各校に配備したタブレットとアプリをリモートで一元管理する体制が整いました。学校ごとに異なるアプリ利用の要望、年度ごとに変動する利用者数などにも柔軟に対応できる管理体制を整えました。

立川市教育委員会事務局
教育部学務課管理係
主事
宮川 和明 氏
課題
- WindowsタブレットとiPad の双方に対応可能なモバイルデバイス管理製品の導入
- 各校に配備されたタブレット端末の効率的な管理・運用
- アプリの配信および管理方法の確立
導入効果
- 各校に配備されたタブレットとアプリを学務課の職員で一元管理
- 学校やクラスごとに異なるアプリの要望や利用者数の変動にも柔軟に対応
- タブレットの追加や入れ替えにも問題なく対応
特別支援学級に2人1台で利用できるiPadを配備
立川市教育委員会は、「まちづくりは人づくり、人づくりは未来づくり、未来づくりは学校から」の理念の下、「立川市第2次学校教育振興基本計画」および「立川市第2次特別支援教育実施計画」に基づき、「知」・「徳」・「体」の調和のとれた子供たちの総合的な力を育むべく、学校教育の充実を図っています。
その一環として注力しているのがICT教育で、「小・中学校全校に導入したタブレット端末を効果的に活用し、学習への関心・意欲を高めるとともに思考力・判断力・表現力等を育む授業を展開し、児童・生徒の学力の向上を図る」、「コンテンツライブラリーを活用し、学習指導案及びワークシート、教材等を教師間、学校間で共有し、ICT機器を活用した授業を推進する」、「情報社会における正しい判断力やルールやマナーの意義を理解し、守ることができる態度を育てるとともに、情報を適切に選択し活用する能力を育成する」といった方針を打ち出しています。また、ICT教育推進事業の展開という観点から、教育力向上推進モデル校(ICT教育推進研究校)によるモデル授業を公開。全校の授業改善に結び付けるほか、その研究成果を生かしたICT機器の効果的な活用とプログラミング教育など、論理的思考力を育む学習活動を充実させています。
こうして立川市教育委員会は2016年度までに、すべての市立小中学校に教員の指導用および児童・生徒の学習用として合計約2,000台のタブレットを導入するに至りました。これは多摩地域26市の中でもトップの導入率となっています。同様に特別支援学級についても児童・生徒2人に1台を基準とするタブレットの整備に取り組み、小学校7校、中学校3校に対して、2017年度の追加分を含めて約90台のタブレットを配布しました。
これらのICT機器や備品の調達・整備、管理にあたっている立川市教育委員会事務局 教育部学務課管理係 主事の宮川 和明氏は、「特別支援校のタブレットは、学級の授業に適した視覚的なアプリが充実している点を評価しiPadを導入することになりました。」と話します。
タブレットの導入はMDMの活用が大前提
立川市教育委員会がタブレットの導入に際して、大前提としたのがMDM(モバイルデバイス管理)の活用です。「学校現場で教員や児童・生徒たちが自由にアプリをインスールするのを防止しなければなりません。また、指導課によって策定されたセキュリティポリシーを各端末に対して確実に適用する必要があります。これを“仕組み”として担保するため、私たちは常に『MDMありき』でタブレット端末の利用を考えています」と宮川氏は説明します。
そこで立川市教育委員会がiPad用のMDMとして導入したのがVMware Workspace ONEです。「特別支援学級では学校ごとに異なるアプリ利用の要望があり、利用者数(児童、生徒、教員)も年度によって大きく変動するなど、個別要件に対応する必要があります。学年やグループ単位のセキュリティポリシーをプロファイルとして定義して展開すると共に、多様なアプリのより柔軟な一元管理を実現するWorkspace ONEのMDM機能を高く評価し、選定に至りました」と宮川氏は話します。
各校のタブレットの利用状況を遅滞なく把握
現在、立川市教育委員会は次のような形でiPadおよびWorkspace ONEを運用しています。
まず特別支援学級の教員が利用したいアプリを選定し、学校ごとに取りまとめて立川市教育委員会へ申請書を提出します。その内容に基づいて審査を行い、認められたアプリを学務課が調達し、Workspace ONEを通じて配布するというのが大まかなフローです。このプロセスを経ることで立川市教育委員会は、どの学校が、どんな目的で、どのアプリを導入しているのか、利用状況を遅滞なく把握することができます。
「Workspace ONEの画面はスタイリッシュでわかりやすく、個人的にもとても気に入っています。現在、学務課の職員で各校のタブレットをリモートで管理、不要になったアプリを停止するなど運用にあたっていますが、特別なトレーニングを受けることもなく皆すぐに使い始めることができました。そんな運用の容易性からもWorkspace ONEを選んで良かったと思います」と宮川氏は話します。
学校現場では「利用者に自由にアプリをインストールさせない」ため、プロファイル上でアプリストアの制限を設定しています。また、地域性を活かした独特な運用の取り組みとして、公益社団法人立川市シルバー人材センターへの外部委託を活用することで効果を上げています。「シルバー人材センターのパソコン班のメンバーは約15名で、元々ITベンダーや電機メーカーで活躍していたエンジニアです。インストール作業のみならず、デバイスの定期メンテナンスから日々のトラブル対応まで、サポートを全面的にお任せしています」と宮川氏は説明します。
すなわち、立川市教育委員会はWorkspace ONEを含めた現場のオペレーションをITのプロフェッショナルに任せることで、より信頼性の高いタブレットおよびアプリの管理を実現しているのです。パソコン班のメンバーからも「Workspace ONEのユーザーインターフェースは直感的に理解することができ、とても使い勝手がよい」という評価を得ており、教育現場にも利用が定着しています。
ハードとソフトの両面から教育現場のICT環境を充実させていく
政府は次世代に向けた人材育成を図るため、全国すべての小中学校にパソコンやタブレットなどの端末を1人1台で使えるように配備するという方針を固めました。この施策が動き出せば、立川市の市立小中学校にも今まで以上に多くの台数のタブレットが導入されることになります。また、既存のiPadについてもリース期間が満了したものから、どんどん更新が進んでいきます。
しかし、立川市教育委員会にとって不安は全くありません。「私たちはMDMありきの管理体制を整えているため、タブレットの追加や入れ替えにも問題なく対応することができます」と宮川氏は強調します。
そして立川市教育委員会はこの基盤を効果的に活用することで、ICT教育のさらなる前進を進めていく考えです。
「小学校は2020年度、中学校は2021年度から始まる次期学習指導要領では、主体的・対話的で深い学び(アクティブラーニング)の視点からの授業改善を重要視しています。立川市の市立小中学校でも、その理念に沿ったシンキングツールの活用などに積極的に取り組んでいきたいと考えています」と宮川氏。立川市教育委員会は校務支援のセンターサーバの導入を含め、ハードとソフトの両面から教育現場のICT環境を充実させていくという方針を示しています。
お客様情報
お客様名 | 立川市教育委員会 |
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WEBサイト | https://www.city.tachikawa.lg.jp/kyoikusomu/kosodate/kyoiku/iinkai/ |
概要 | 東京都多摩地域の中心部分に位置する人口約18万人の市で、市の教育行政全般に関わる基本方針や施策などについて審議し、意思決定を行う合議制の執行機関。立川市内の市立小学校19校・市立中学校9校その他の教育機関を管理し、学校の組織編制、教育課程、教材、教職員などに関する事務を担う。事務局は、教育総務課、学務課、指導課、教育支援課、学校給食課、生涯学習推進センター、図書館の7課で構成され、ICT教育の推進にも積極的に取り組んでいる。 |
導入環境 | VMware Workspace ONE |
※本文中に記載されている会社名及び商品名は、各社の商標または登録商標です。
※本記載内容は2019年12月現在のものです。